色々環境に文句が言いたいホテルだったけど、ベッドの寝心地はとてもよかった。気温も高地らしく快適でエアコンがなくても問題はなかった。
ただエアコンがないのは自転車旅行にとっては大変。洗濯物が乾かないのだ。手洗いだと洗濯機の脱水機能が使えないので手で絞ることになるのだけど、機械でやるのには到底及ばない。少し水を含んだ状態で乾かすのだけどエアコンがないと速乾性の生地以外はまず乾かない。
この日はサドルの下のバッグについてるネットに生乾きの洗濯物を置いて乾かしながら行こう。
バイキングでお腹いっぱいに
このホテルは朝ごはんがついている。ちょっと料金は高めだけど朝ごはんがついているのはありがたい。自転車旅行だと朝食でどれだけ食べられるかが重要な気がする。
レストランに移動するとバイキング形式みたいだ。
野菜と鶏肉、ご飯、卵(でかい)、パスタを好きなように組み合わせられる。

この卵やけにでかいけど本当に鶏なのだろうか。とてもうまい。
お米も長い粒で美味しいな。

朝ごはんを食べたら出発。なかなか良いスタートが切れた気がする。天気も良さそうで嬉しいけど、暑くなりそうで先が思いやられる。午前中は気温もそこそこで湿度も低めなので走りやすいから距離を稼ぎたい。
今日のコース

Soeを出たら少し下ってまた登り、そこから一気に川まで標高を下げていく。そこからはアップダウンを繰り返しながら600mの峠を登ったら再度登り返してゴール。85kmで1105m登るコースみたい。
初日のクパンの宿の人が言ってたけどSoeからは大体フラットだよって、なかなかのアップダウンですね。今日のヤマは最後の600mの峠だろう。
出発、Soeの街並み

あまり歩道がなくて歩きやすくはないけど、夜と違って昼間は本当に静かだなー。夜はズンドコ言ってたけど。

やっぱり暑い土地だから夜から本領発揮するタイプなんでしょうね。
ホテルを出て国道に戻る。やはりこの街から島の南側と北側へ行くルートで分かれるので交通量が多い。と言っても日本より全然少ないし、余裕を持って自転車を抜いてくれるから助かる。走りやすい。


最近お気に入りの水。500ルピア(4.5円)。とっても冷えてておいしい。売店でこんなのが買えるから水分補給には困らない。レストランは無いエリアもあるけど、いざとなったらカップラーメンで凌ぐこともできる。この島は自転車旅行には向いている気はするよね、気候を除いて。

水を買ったら店頭に置いてある椅子で休む。そうするとお店のおじさんとかに話しかけられる。聞かれることは大体同じ(というか他はあんまりわからない)
- どこからきたの?(日本だよ。クパンから自転車だよ)
- どこまで行くの(ディリだよ。友達がいるよ)
- いい自転車だなー(でしょー)
- 嫁はいるのか
- 何歳だ
みたいな感じ、理解ができるのは。本当にインドネシア語ができたらなー。Google翻訳でもなんとなくできるけど、やっぱり遅いから自分の言葉で話したい。
自分から聞くのは、あっちーねっていうのと、この先の坂はどんな感じ?ぐらい。インドネシア人は本当にいい人だな。なんというか、距離感がちょうど良いというか、間合いの詰め方がやさしい。やはり同じアジア人として親和性があるのかな。顔もほとんど変わらないしね。
強烈なアップダウンにやられる
Soeを出てからは下ったり登ったりをひたすら繰り返す。本当に平坦が無い。ありがたいのが、曇りで雨降ったり止んだりの天気で気温も21〜23度ぐらいを行ったりきたりしている。もう洗濯物は諦めて自然のままに濡れたり乾いたりを繰り返している。生乾きでドライバッグに入れて臭くなるよりはマシかな。
アップダウンを繰り返すと本格的なくだりが始まる。かなりの急坂を時速30kmから50kmぐらいで快調に下っていく。勘弁してほしいのは、なんの予告もなしに突然オフロードが始まるところ。時速50kmで下ってて目の前に舗装が剥がされた道路が出てくると、もう転ばないように天に祈るしかない。


200mほど下るとまだ登りが始まり、下ってはそのまま登るのを3回ほど繰り返す。この時には気温も上がって晴れてきたので自転車に乗って登るのは諦めて押す。本当は35度を超える10時〜16時は自転車に乗らないで休んで気温が低い時間帯に集中的に乗った方がいいのだけど、夕方はスコールがあるのがわかっているので、昼間に距離を稼いで夕方になる前に宿に着かないといけない。

自転車乗りは自転車乗りを引き寄せる
何個目かは忘れたけど登りを押して登り、登りきったところで暑くて明日のジョーの矢吹みたいになっていたところ目の前に車が止まった。
「大丈夫?水ある?なんか壊れてない?」
「大丈夫だよ。水もあるし、なんも問題ないよ。休んでるだけ」
カタコトの英語だけどやりとりをすると、車から降りてきてくれた。

この人はブディさん。クパンで自転車クラブを主催しているらしい。なんだかロードバイクとかマウンテンバイクで色々走り回っているんだって。すごいな。自転車は同じ趣味の人を吸い寄せますね。まーこの島にきてから自転車乗ってるのは子供と私ぐらいなもので、目立つよね。
連絡先を交換して、またティモール島に来たら一緒に自転車に乗ろうと約束をして別れた。もしあそこで休憩をしていなかったら多分すれ違って終わりだったんだろうけど、こうやって連絡先を交換できたので、次来たら一緒に走ろう。
「なんか問題あったらすぐに連絡してね。助けに来るから」
本当に助かる。何かあったら連絡できる人ができたことは本当に心強い。いざとなったら電話変わってもらってもいいしね。しかも自転車好きな人だからそういうネットワークもあるだろう。
自分Warm Shower(自転車乗りが宿泊先を提供できるサイト。マラウイでは2回ぐらい泊めた)に登録していて、いつでも自転車乗りを助けたいなと思っているけど、本当に助け合いですね。世界中で ”無駄にわざわざ自転車で不必要な苦労をして旅している人たち” に悪い奴はいないのです。だからやめられないのだけどね。
ブディさんと再会を近いお別れをして、坂を下る。ここから100mほど登ったら今日の最後の峠がくる。これを越えたらあとは寝てても着くだろう。今日はネットの予約サイトが使えないので早めについてホテルを決めたい。
レストランがない
坂を登り平坦に出る。お昼過ぎでそろそろ食事を取りたいけどレストランが見当たらない。どうしよう、もうすぐ峠が始まってしまう。食事を取らないとハンガーノックと言って低血糖で足が止まってしまう。まーそりゃそうだ。1日6000kcalも消費しているわけなんで、食べ続けないと持たない。
どうしよう、もう峠が始まっちゃうし。仕方ない売店でラーメンを食べよう。
売店に入るが、カップラーメンがない。全部袋麺タイプ。うーん困った。一応「調理できる?」ってGoogle翻訳で聞いてみる。
「OK、テルモスもってくるから待っといて」
と言って奥に取りに行った。他にも水とジュースを買って休む。お湯ができたのでプラスチックのボールを借りてラーメンを食べる。


お湯の温度が低くてちょっと固いのでしばらくふやかす。あーおいしいね。本当に温かいものは生き返りますね。ついでにお店の人と雑談する。なんだろうね、こういうのが好きなんだよね。私、飲み屋とかでとなりの人とかに話しかけがちなんですけど、インドネシアの人は話し方とか優しいから話しやすいね。みんな興味を持ってくれるし、こっちも一生懸命伝えようとするからなんとかなる。みんないい人だ。
行商文化

売店で休憩していると、バイクのおじさんが段ボール箱を持ってきた。どうやら物を売り歩いているようだ。インドネシアで驚くのが(この島だけかも)、バイクの荷台にでかい鍋を装備して、カレーみたいなものを売り歩く人がいること。バイク1台あれば、行商もできるしレストランもできる。今回は、商店の仕入れだったのかな。旧正月が近いからか爆竹とかが人気でした。こういう物流があるから田舎でも小規模商店がやってけるんだなー。日本なら「そこのバイク止まりなさい」って言われて無理だろうね。
最後の登りを超えてケファへ
売店を出ると最後の峠が始まる。ここを超えると今日の目的地、Kefamenanu(ケファ)まで概ね平坦だ。まー押しますね。いいんだ、まだ2時だし1時間かかってもまだ3時。余裕でつける。昨日までと違って大きなのぼりがないので、押してる時間が長いものの少し余裕を持って到着できそうだ。

ヒーヒー言って峠を超えると不思議な感じがした。空気が変わったのだ。今まで水蒸気のモヤに包まれていたのに、遠くの山まで見通せるようになった。空が青い。

心なしか湿度も下がったような気がする。直感的なものだけど、植生も変わった気がする。路肩には青い芝が生えてて、水が増えたような。気のせいかな。

峠を下ると少しのぼりがあったものの(押しますね)概ね平坦でケファの街まで一気に近づく。
すごい気持ちいい。くだり基調なのもあるけどいい感じだ。
ケファの街はいままでと違って少し綺麗な気がする。歩道もしっかりしているし。街に入るとコンビニに入る。今日はホテルを決めていないので店員さんに聞いてみよう。幸運なことに英語がとても上手で助かった。
「ホテル探してるんだけど、なんかいいところ知ってる?」
「Grand Royalがいいんじゃない? ここからだいたい5分よ」
「なんか高そうな名前だけど行ってみるー」
「普通のホテルですよー」
みたいな会話をする。コンビニの前を出ると橋で大渋滞している。なんか橋が崩壊しているみたい。

橋の上では裸の作業員がコールタールを素手でこねて塗りたくっている。アフリカでもよくみたけど、体に悪そうだなー。

橋を抜けると未舗装の工事現場が続く。なんだかもう疲れ切ってヘロヘロで走ること10分。グランドロイヤルホテルの看板が見えた。

中に入ると奥まったところに結構大きな建物がある。入り口でバイクを洗っていた人に頼んでホテルの人を呼んでもらう。料金表があるのでわかりやすい
15万ルピア(1274円)スタンダード、エアコンなし、朝食付き
22万5000ルピア(1912円)スーペリア、エアコン付き、朝食付き
最初は貧乏性で15万ルピアのにしたけど、洗濯物乾かしたいのでスーペリアにした。部屋に入ってエアコン全開にしてシャワーを浴びる。スッキリしてベッドに倒れ込む。今日も安住の地を手に入れたのです。よかったー。
少し休むと、毎日のルーティンが始まる。まずは荷物を全部ぶちまけて、洗濯。特に自転車ウェアは毎日洗わないといけないので、石鹸で念入りに洗う。洗い終わったら絞ってハンガーで乾きやすい場所に掛ける。やっぱりエアコンがあると一味違う。空気がカラッとして寝心地が違う。
洗濯が終わったらご飯を食べに行こう。ロビーに戻るとホテルのオーナーさんいて色々話をする。英語も上手だ。ご飯なら道路に出たらたくさんあること、あと朝食の時間も教えてもらう。朝ごはんはナシゴレン(チャーハン)らしい。そして、息子を呼んできてくれた。
この息子。日本語がペラペラだ。なんかアニメやドラマを見まくって覚えたらしい。少し雑談してご飯を食べにいく。「いっしょに食べる、おごるけど」みたいな話をするけど家のご飯あるからいいとのこと。なんだかよくわからないけど、日本語を話しだすとそこは日本でした。
外に出ると屋台というかローカルレストランがたくさんある。今日はその中でもおばちゃんが笑顔だったお店に入ることにした。

あー、今までで一番おいしい。このなんかよくわかんないタケノコみたいのもうまいし、何はともあれこのココナッツミルク風味の汁がうまい。最高だ。汁大切。鶏肉もとろけるような感じでおいしい。
そのあとは街を探索。現金が心許ないので銀行でキャッシングを試みるが失敗。3台試して全部失敗。大丈夫かな、、、まー最悪米ドルも日本円もあるからなんとかなるでしょう。
日本語を話したらそこは日本
ホテルに戻るとフェンディが待っていて色々と話す。もう英語話す気ゼロ。だって彼の日本語の方が上手いからね。アニメのこととか好きなアイドルについても話したな。JTK48(ジャカルタ48)は本物じゃないからあんまり人気がないとか。インドネシアはあんまり自炊しないとかね色々話した。ティモール島はトンネルないけど日本ならトンネルあるから道路は緩やかだとかね。
やはり言葉の壁がないと得られる情報量が桁違い。なんと旅が終盤に来て、ついに日本語サポートできる友人を手に入れてしまった。すごい心強い。
翌日は国境の街、アタンブアまで行くがそこでのおすすめのホテルも聞いておいた。予約を頼めたけど、そこは行き当たりばったりでいいだろう。
部屋に戻ってまた泥のように眠る。体の調子は日に日によくなってきているように感じる。やはり気候に慣れてきたのかな。
ゴールのDiliまであと214km
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